この楽器の注文者の名前は彫るのではなく黒色の樹脂を使って手書きで入れました。
「装飾を入れる」という作業の方法についていろいろと模索をしていた頃。
白木の木地に面相筆を使って描くうえで、その素材をどうするか、いろいろと試していたうちのひとつ。「現在の彫って樹脂を埋める」手法とは出来栄えの点でやはり違うんだなあ、といまさらながら思うところです。
f孔はかなり長めで、f孔も外 形も、いわゆる“ガルネリ型タイプ”ともいえますが、あくまで私自身のオリジナルです。
ニスは私としてはわりあいにめずらしい赤系です。
裏板のボタン下部に、ご注文者のお名前が入っていますが、このころの写真はデジタルではなく、ネガフィルム。しかもあまり上等でないカメラで撮影したものなので、不鮮明・・・ご容赦ください。